西条市立楠河小学校いじめ防止基本方針

   平成27年9月 策定(令和5年4月 改定)

はじめに
本方針は、人権尊重の理念に基づき、本校の全ての児童が充実した学校生活を送ることができるよう、「いじめ問題」を根絶することを目的に策定するものである。

1 いじめ防止のための基本理念

(1)いじめの定義(いじめ防止対策推進法より)
「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等、当該児童と一定の人間関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通して行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。

(2)いじめの禁止(いじめ防止対策推進法より)
児童等は、いじめを行ってはならない。

(3)いじめに対する基本的な考え方
いじめ問題に迅速かつ組織的に対応するために、いじめに対する認識を全教職員で共有する。
けんかやふざける行為もいじめととらえる必要がある。
そして、「いじめは、どの学校、どの学級でも起こり得るものであり、いじめ問題に全く無関係ですむ児童はいない。」という認識にたち、全校児童が、いじめのない明るく楽しい学校生活を送ることができるように、いじめの未然防止、早期発見、早期対応に取り組む。

2 学校におけるいじめ防止等の対策のための組織

(1)いじめ防止対策委員会

①「校内」と「地域・保護者を含んだ対策委員会」

㋐「校内」
校長、教頭、生徒指導主事、教務主任、人権・同和教育主任、学級担任、特別支援教育コーディネーター、養護教諭、研修主任、特別支援学級担任、スクールカウンセラー(SC)

㋑「地域・保護者を含んだ対策委員会」
校内のメンバーと主任児童委員、民生児童委員、学校評議委員

②組織図






 

 

(2)校内研修での情報交換及び共通理解、組織的な共通実践

①学期に一度、全教職員で、支援を要する児童について、現状や指導についての情報交換及び共通理解を図る。

②必要に応じて、臨時に校内研修(職員会議)を開き、情報交換及び共通理解を図る。

③必要に応じて、地域・保護者を含んだ対策委員会を開き、情報交換及び共通理解を図る。

3 いじめ未然防止のための取組

(1)学級経営の充実

①全ての児童が安心して過ごし、学習できる、規律ある集団づくりに努める。

②一人一人の自己有用感を高め、自尊感情を高めるような場づくり、児童同士が連帯感を育てるための場づくりに努める。

(2)分かる授業づくり

①基礎学力の定着を図る。(漢字検定・計算検定・ノート検定)

②「学びあい学習」を生かした授業改善に努め、授業を担当する全ての教員が公開授業を行う。 

(3)道徳教育及び人権・同和教育の充実

①全学年、「相手のことを思いやり、親切にする。」「生命の尊さを知り、生命を大切にする。」を道徳の重点指導項目とし、思いやりの心をもって相手に接するとともに、自他の生命を尊重する児童を育てる。また、人権意識を高め、いじめを許さない、見逃さない態度を育てる。
・校内研修等を通して、教師の人権感覚を磨く。

②公開参観授業(人権・同和教育の視点に立った授業)によって、家庭、地域への啓発に努める。

(4)特別活動及び体験活動等の充実  

①異年齢集団の活動(フラワー班活動)や体験活動、地域ボランティアの方の読み聞かせ等を通して、社会性や豊かな感性を育てる。

②自分の思いを伝える、相手の思いを感じ取る場を大切にし、コミュニケーション能力を育成する。

③レインボーデーによって個性を大切にする心情や態度を育てる。

④生活目標を守るための具体的な手だてを話し合い、よりよく生活していく意識を高める。

⑤楠河公民館、西条市河北会館(隣保館)と連携し、地域とのつながりを大切にした活動に積極的に取り組む。(放課後子ども教室・文化祭・河北会館まつり等への参加)

⑥えひめ子どもスポーツITスタジアムに、全学年でチャレンジし、集団での達成感を味わい、学級への所属意識を高める。

(5)インターネットを通じて行われるいじめへの対策   

①県教育委員会によるインターネット等に関する調査(高学年)をもとにアンケートを作成し、年度初めに全学年の使用状況調査を行って実態を把握した上で校内研修を行う。
・高学年においてインターネットに関する授業(外部講師)を行い、保護者への啓発も図る。

②情報教育の場において、人権を重んじた利用の仕方を具体的に指導する。

(6)学校相互間の連携協力体制

①保育所、幼稚園、子ども園、中学校、高校との情報交換や交流学習を行う。

②河北中学校区小・中学校の共通指導事項の実践や情報交換に努める。
    
4 いじめ早期発見のための取組

(1)早期発見の手立て

①日々の児童との関わりや、友達の対人関係の観察や日記の内容等から、児童の変化を読み取る。

②毎月1回、学校生活アンケートを行い、学級集団の傾向を分析し、児童理解に努める。

③学校生活アンケートは、全ての児童が記入しやすいものであるよう、随時、内容を検討し、教育相談時に、じっくりと一人一人の児童の話に耳を傾ける。また、長期休業明けの不安や悩みの解消に努める。

④保健室での様子等にも気を配りながら、養護教諭と連携し、こまめに情報交換を行う。

(2)家庭や地域との連携
児童や保護者との信頼関係を築き、円滑な連携を図るように努める。また、地域とのあらゆる
情報交換の場を利用し、児童の状況について情報収集に努める。

5 いじめに対する措置

(1)組織的な対応

①特定の教職員で抱え込まず、速やかにいじめ防止対策委員会を開き、全てにおいて複数の教員で対応する。

②情報の収集、事実確認、今後の方針について速やかに決定する。

(2)被害児童・加害児童への支援や指導

①それぞれの児童の立場や心情に配慮しながら、複数で事実関係の聴取を行うことを原則とする。

②被害児童が安心して教育を受けられるよう、全教職員で対応し、保護者との連携を図りながら、再発防止策を講ずる。

③加害児童の抱える問題や背景を考慮しながら、自らの行為の責任を自覚させ、反省させる。

④解決したと思われる場合でも、経過を注視し、定期的に職員会議で事後の様子について情報交換をし、共通理解を図る。

(3)被害児童及び加害児童の保護者への支援

①迅速に保護者に連絡し、事案発生の報告と今後の対応への理解を得る。

②被害児童の保護者には、できる限り不安を除去してもらえるように、連洛を密にし、信頼関係の下で対応策を講ずる。

③加害児童の保護者とは、再発防止策を話し合い、連携を図りながら加害児童への指導を行う。

(4)いじめが起きた集団への支援や指導

①アンケート調査や教育相談等により、いじめを生んだ背景を把握する。

②傍観者も、加害者であるということを自覚させる。

③学級での話合い活動や集会等により、いじめを根絶しようとする態度を育てる。

(5)関係機関との連携

①事案が発生した時点で、内容に応じていじめ防止対策委員会の判断により教育委員会へ報告し、以後の対応についても、適宜連絡する。

②重大事態の場合は、いじめ防止対策委員会の判断により、関係機関とも連携して対処する。

6 重大事態への対処

(1)重大事態とは(いじめ防止対策推進法より)

①いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身または財産に重大な被害が生じた疑いがあると認められるとき

②いじめにより児童が相当の期間学校を欠席する(年間30日を目安とし、一定期間連続して欠席している場合も含む)ことを余儀なくされている疑いがあると認められるとき

(2)調査組織「楠河小学校いじめ問題対策協議会」

①構成員
以下のいずれの場合にも、専門的知識及び経験を有し、当該事案の関係者と直接の人間関係又は特別の利害関係を有しない第三者の参加を図り、当該調査の公平性・中立性を確保する。

㋐学校の設置者が調査主体となる場合
教育委員会、いじめ問題対策協議会、その他必要とされる専門機関

㋑学校が調査主体となる場合
生徒指導委員会を母体とし、PTA会長、その他必要とされる専門機関

②調査を実施するに当たって

㋐学校の設置者及び学校は、たとえ不都合なことがあっても、事実にしっかり向き合おうとする姿勢を基本とする。

㋑被害児童や情報提供者である児童を守ることを最優先として、調査を実施する。

㋒被害児童からの聞き取りが不可能である場合は、当該児童の保護者の要望・意見を十分に聴取する。

㋓調査結果は教育委員会に速やかに報告し、対応策や再発防止策について話し合う。

㋔被害児童及びその保護者に対し、調査によって得られた事実その他の必要な情報を適切に提供する。

(3)重大事態における支援や指導

①被害児童の生命、心身の安全を最優先し、重大事態においては、被害児童が安心して教育を受けられるように、加害児童の別室指導や出席停止制度の活用をしたりするなど、状況に応じて安全措置を講ずる。

②校長の判断により、関係機関との連携を密にして当該事案に対処する。

③当該事案による周囲への影響にも配慮し、全教職員及び家庭、地域、関係機関が連携して対処する。

④調査、対応が収束しても、当該事案の関係者及び団体が安心して生活を送ることができるよう見守り、心のケア等の対応や事後評価を継続する。